かく語りき

今藤のブログ。最近の趣味は休日ジョギング。フルマラソンは未経験です。

『平安京のニオイ』を読んだ

平安時代の、優雅で心地よい「匂い」ではなく、不快な「臭い」に着目した本。主に人や獣の糞尿と死骸について。


平安京のニオイ (歴史文化ライブラリー)

平安京のニオイ (歴史文化ライブラリー)

平安京の人口は十万程度とどこかで目にした記憶がある。仮にそうだとして、十分に整備されていない都市に現代とはまるで異なる社会通念を持つ人が十万も集まると、はてさてどうなるのかな?を考えてみると、そりゃどえらいことになるよねえ…と誰だって思うわけだ。

貴族にとって邸宅の外は鬼の棲む世界だった。

みたいな話を聞いたことがあるけれど、この本を読んだ後だと納得してしまう。そして、そのような鬼の棲む世界を認識しつつケガレがどうこうとやっていたのだから、貴族はやっぱり貴族である。



以下、印象に残ったことをいくつか。


◆平安貴族の住居の大きさは一町ほど

一町は120m四方

これはでかい。すんごーくでかい。けどまあそんなもんか貴族だし、とも感じる。「貴族の標準的な宅地規模」と書いてあるのだが、標準と言われても困る。その「標準」に該当する住居がいくつあったのか、さっぱりわからない。仮に堂上家だとして百家以下だろうか。でも、兄弟で高位にいる場合もあるだろうし、先代御隠居の大邸宅みたいのもあるかもしれないし、やっぱり想像がつかない。

とりあえず、いまの京都に京都市役所を百個くらい置いた状態をイメージしてみると…

不自然ではない気がした。


◆庶民の場合、女性は立小便がふつう

江戸時代になっても京都ではそうだったらしい。


◆沐浴とはね

「沐」は頭から水をかぶること。「浴」は体にかけること。へえ。はずかしながら知らなかった。この知識が活かされる機会はないだろうけど、知って損はしないから覚えておこう。


文字化されたにおいの表現を、視覚的なにおいと嗅覚的なにおいに分けているところがおもしろい。視覚的なにおいは言い得て妙ですね。