かく語りき

今藤のブログ。最近の趣味は休日ジョギング。フルマラソンは未経験です。

永瀬隼介『凄腕』読了

凄腕 (文春e-book)

凄腕 (文春e-book)


初見の作家。
表紙の歌舞伎町の写真で購入を決めた。

本をあまり読まない私が思うに、歌舞伎町を舞台にした本というのはおおよそB級と相場が決まっていて、当たりくじを引くことは滅多に無いのだけれども、途中でぶん投げるレベルの困ったちゃんに出会うことも同じくらい無い。したがって、読みたい本が見当たらないならとりあえず歌舞伎町モノにしておけばえんちゃう?という程度に信頼してよいことになっている。


で、本作もどちらかと言えば予想を裏切らない出来で、総体としてはまあまあといったところなのだが、下っ端ヤクザやチンピラの描写が光っている。

三下の閉塞感。いい思いをしたくて業界に足を踏み入れたが、彼は自身の技量ではのしあがれないことを理解している。かと言って足を洗う度胸もない。次の当てもない。小間使いで凌ぐ毎日。必死に足掻く様に悲哀感が漂う。そして、結局は誰かに利用されて終わってしまう点も秀逸。彼らはただの脇役なんだけど、この部分を掘り下げたら大化けしそうな気がするなあ。


なお、別に歌舞伎町モノではなかった。