かく語りき

今藤のブログ。最近の趣味は休日ジョギング。フルマラソンは未経験です。

大門剛明『雪冤』を読む

雪冤 (角川文庫)

雪冤 (角川文庫)

死刑制度と冤罪問題に絡めたミステリーを、これまでにいくつか読んだ。いずれも良い作品だったと記憶している。本作も期待を裏切らない。

タイトルの『雪冤』は、冤罪を雪ぐの意である(らしい)。


冤罪を訴える死刑囚。無実を信じて活動する父親。
父との面会を拒絶する息子。真犯人を名乗る人物からの電話。

涙を誘うに違いない親子と魅力的な謎かけ。裏表紙の内容紹介を読んで、即座に購入を決めた。そして、導入部から物語に引き込まれた。一気に読み通した。夜ふかしして読書する楽しさを久しぶりに味わった。荒削りな感があるけれど、この作者には熱量がある。他の作品も是非読んでみたい。


星みっつ ★★★


いささか盛り込みすぎかもしれない。
父の子の物語だけに焦点を絞ったとしても、ひとつの作品として成立するだろうし、読者を退屈させない力量がこの作者にはあるはずだ。


『衝撃の結末に100人中99人が騙される!』


文庫本の帯にある宣伝文句がどうにも気に入らない。本書に限らず、結構な頻度でこの類の煽り文句を見かける。またこれかとうんざりする。衝撃の結末?騙される?だからなんだ。最後にどんでん返しがあると予告しているだけではないか。そんな情報は必要ない。勘弁してくれ。だれも得をしない情報じゃないか。「驚愕のラスト」の有無とミステリーの出来は関係無い。
この文句のせいで、終盤に訪れる真犯人らしき人物との対峙を、真剣に読めなかった。だって、どうせ最後の数ページでひっくり返すんだから、こいつは真犯人ではないと勘ぐってしまうじゃないか。


京都市中を、主要人物が自転車で駆け巡る。ローカルな地名を舞台にした小説は読んでいて楽しい。が、おれの乏しい京都知識ではピンポイントに土地をイメージできない。もどかしい。
えっ、大将軍まで自転車で?と思っていたら、将軍塚と勘違いしていた。
堀川通はわかるし今出川通も知っている。だが堀川今出川と言われても、えーと、近くになにがある交差点だっけ?となる。よくわからない。
そして、謎の京阪推し。京阪電車に愛を感じる。だが、JR阪急民のおれには馴染みがない。中書島丹波橋か…びみょう…。できれば東向日、長岡天神にしてくれないかな。


なお、ミステリー門外漢の読み途中における犯人予想は以下のとおりだった。

・予想1)ホームレスはなんらかの形で事件に関与している。
・予想2)ミスリード気配。でも弁護士は絶対犯人じゃない。
・予想3)ひょっとして、姉を刺殺したのは妹か。29歳のくせに「少女のような」の描写はおかしい。この子は二重人格に違いない。
・予想4)なぜ死刑囚が父親と面会しないかわかったぞ。さては入れ替わっているな。拘置されているのは本人じゃない!

ホント犯人当てのセンスが無いなあ、おれ。的中したためしがない。

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