最近読んだ本を
馳星周の自伝的小説。すばらしい青春小説。
『不夜城』でノワールの旗手として登場し、いまはハードボイルド風の小説を書いているけれど、この人が本当に書きたいものは別なんだろうな、という気がする。なんとなく。
図書館で済ますには惜しい本。
買って手元に置くべきか、悩んでいる。
肩の凝らないエッセイ。
軽さが持ち味の作家なのでエッセイ向きかと思って手に取った。が、びみょう。とてもおもしろいのだけれども。独特の突拍子の無さが、生身の人間の言動とちょっと合わない。エッセイは地に足が着いた文章のほうがいいな。
村上春樹的エッセイの雰囲気を期待したのだけれど、なにかがちがった。色々と惜しい。
まあまあ楽しく読んだ。
ただ、感情を込め過ぎだ。歴史には意思と意図を込めても感情を込めるべきじゃない。日本人としての誇りを欠いた馬鹿野郎どもに警鐘を、は理解するが、このやり方だともっとひどい大馬鹿野郎を産みだすんじゃなかろうか。
主張の中身ではなく、方法に賛同できない。
あと、通史にする必要が無いかも。
近世以前と近代以後でトーンがまるでちがう。
粒ぞろいの短編集。
この作家の本は、だいぶ昔に『インシテミル』を読んでことがあるだけ。タイトルの意味さえ覚えていないが、とてもおもしろかった記憶がある。けれども、いまどきの本格ミステリだなあ…と感じ、作家買いには至らなかった。
まったくもって判断ミス。
こんなすてきな短編を書いていたなんて。
無駄のない展開と文章。短編集の醍醐味だね。

武士の絵日記 幕末の暮らしと住まいの風景 (角川ソフィア文庫)
- 作者:大岡 敏昭
- 発売日: 2014/11/21
- メディア: 文庫
ただいま読みとちゅう。
めちゃくちゃおもろいで。
というわけで、以上。