かく語りき

単身赴任で上京してきた今藤のブログ。最近の趣味は休日ジョギング。フルマラソンは未経験です。

妻がいない休日の夜

夜、妻と次男坊が実家に行き、不在した。


いつもなら同行する長男は、私と留守番だ。

長男は居間で英語の勉強をはじめた。
邪魔にならない程度に眺める。小学生の英語のお勉強は筆記よりも音読を重視するらしい。声が聞こえる。whereの単語があらわれると、それに引っ張られるように we areの読みがおかしくなっていく。

ま、がんばりたまえ。

と思う私の内心は、(居間で勉強すんな。勉強は自室に篭って孤独な環境でやれ)であったり、(英語なんていまからはじめなくていいよ。それよりも理科と社会をがんばりなさい)であるのだが、学校教育にケチをつける度胸はないし、私個人の信念に息子を巻き込む覚悟もないから、言わない。




今夜は何を食べようか?

キムチチャーハンがいい!と返ってきた。
残念ながら却下だ。チャーハンは夜に食べるものじゃない。けれども、意見を求めておきながらの完全無視は非道すぎるので、協議の末にキムチ鍋とキムチ雑炊をつくった。


妻と一緒になって得た最大の教訓がこれである。

「何がいい?」
と妻はよく尋ねる。
「あれがいいな」
と少し考えて私は応える。
だが、私の意見が参考にされることはほぼ無い。
「それはないわ」
即座に否定されることもしばしば。これが何度も起きると、こちらも相応の回答しか返さなくなる。

「なんでもいいです」
だ。どうせ聞き入れられないのだから。


そんなくだらないやりとりを幾度となく繰り返した結果、私は、家庭職場年長者年少者によらず、人に意見を求めた以上、得られた回答にはなにがしらの誠実な対応が不可欠と学んだ。

だから、今夜はキムチ鍋なのである。




食後にふたりでテレビを眺める。

カルビーの宣伝のような番組が流れていた。
お宅の局はカルビーの広報部ですかい?みたいな内容だ。みんな大好き!を装った商品PR(というか、節度を欠いた企業寄り)の番組で、最近よく目にする。やりすぎちゃうかなあ…と思わないでもないが、意外とおもしろいので消さずに眺めている。


眺めていれば当然食べたくなるわけで。
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普段は絶対にしないけれど、お母さんが居ないならいいんじゃない?たまにはさ。てな感じでコンビニに買いに行った。

ポテトチップをつまみに焼酎を呷る。




そして泥酔。

酔った私は掃除をはじめる。なぜか、普段はしない狭隘なところをキレイにしたくなるのだ。


ガス台を磨き、オーブンレンジを分解して洗剤でゴシゴシ。ひと作業ひと焼酎。グラスを傾けながら、次はあれだな…と決める。

扇風機の羽。三台の掃除機のゴミ取りとフィルターの清掃。ガチャガチャうっさいなあと長男が言う。

すまんね。あとはカーテンレールの上を雑巾掛けするだから。もう少しだけ、ね。


明日の朝になれば、帰宅した妻に怒られる。

余計なことをするなと。
けれども、酔っぱらった私は、次回も懲りずに掃除をはじめるにちがいない。別に家の清潔さに不満があるわけじゃない。家事手伝いとは微塵も思っちゃいない。ただ、手が寂しいからやるのだ。

どうか怒らないでほしい。酔っぱらった末の余計なことにしてはかわいいものでしょうよ。寛大な心で見過ごしてくれると助かる。



そのようにして、妻が不在した休日の夜は何事もなく穏やかに過ぎていったのである。