かく語りき

単身赴任で上京してきた今藤のブログ。最近の趣味は休日ジョギング。フルマラソンは未経験です。

金曜ロードショーでキングダムをすこしだけ眺めるのこと

映画『キングダム』を観る。

夜9時から9時25分まで。
要するにぜんぜん見てない。漫画キングダムが大好きな長男の傍らで、酒を飲みながら眺めただけ。


オープニング。
戦国七雄の勢力図が映しだされた場面で、「読めるかな?」と試してみる。すると長男は「カン・ギ・チョウ、云々」とスラスラ答える。すげえなあ。漫画は偉大だ。私が小学生の時分は何一つ知らなかった。中国史の概念すら頭に無かったよ。


「お父さん、リョーフイは有名やんな」
続けて曰く。
呂不韋始皇帝のお父さんの?」
と私。
「ちがうよ。そういう説もあるけどな」
と長男。

へえ。そういう説ときたか。一書に曰く、とでも言いそうである。まさか、始皇帝の出生を息子に諭される日が来るとは。


「サイやで」
さらに続けて曰く。
「なにそれ。テレビに出てる人のお名前?」
尋ねる。
「秦のナンバー2のことだよ」
答える。
「宰相のことかなあ」
漢字は音だけ聞いてもわからないの典型である。宰でも相国でも丞相でも尚書令でも同平章事でも、好きに呼んでくれ。ちがうサイならお父さんは知らん。


お父さんはうれしい。

きっかけはなんでもいいんだよ。要は、そこからどう展開するかだ。いますぐでなくてもいい。頭の片隅に(中国の歴史、きらいじゃないかも)と書いておけ。それが君の人生を豊かにする切符だ。



ただし。
ただしただしただし。導入部だけ眺めて口を開くのもおかしいけど、この映画、ちょっとちがうんだよなあ。


脂ぎった顔と汗だくの人物のアップ。
すすきの生い茂った平原と鬱蒼とした森。

私の頭にある大陸とちがう。

奴婢の生い立ち。手に汗握る戦い。
だから汗の演出なのだろう。わからなくもない。

大陸が禿山だらけになるのはもっと後世のこと。
だから緑が豊かな世界。たぶんそれが事実だ。


でも、ちがうんだよなあ。

なんていうか、この映画は日本が舞台になっちゃってるんだな。大陸風の衣服と建物で装っているけど、大陸の風土じゃない。山にまぎれこんだ足軽と同じ絵になってる。

リアリティを追求するとこうなるのかもしれない。南北朝前後で中国は別物だから。でも、中国史を、特に華北を舞台にするのであれば、乾いていて広漠としているべきだと思うのだ。大陸は人も街も野も宮殿も乾燥していてほしい。泣いて斬られる馬謖から三角帽を被せられた反革分子まで、総じてジメジメした絵ではいかんのである。


そんなことを思った。
(なお、おしまいまで観た長男によれば超おもしろい映画だそうです)