かく語りき

単身赴任で上京してきた今藤のブログ。最近の趣味は休日ジョギング。フルマラソンは未経験です。

それでも家を買いました(12)〜This House is Not FOR SALE〜

前回までのあらすじ:
旧居のマンションを売りに不動産屋を訪ねた。


shabaduvitouch.hatenablog.com

前回記事の後、妻と方針を相談したり、不動産屋から業者買取の見積が百五十万上がりましたと連絡が届いたりでいろいろあった結果、業者買取ではなく仲介でお願いすることにした。



その七日後。
きっちり七日後に不動産屋から電話があった。
「良いお知らせがあるので、いまからお伺いします」


なんだろうか。
仲介契約に判子を押したときには、折込チラシの投函は数日後で、オープンハウスを二週間後に実施予定だと言っていた。販売活動は始まったばかり。このタイミングでの良い知らせがなんだか、検討がつかない。


わざわざ訪問してくれるのは顧客満足度の向上みたいなものかなあと思った。

けれども、いくら気持ちのよい対応をしてくれても、じゃあ次回もお宅さんで! とはならない。私は土地転がしではないのだから次はない。それに、がんばってくれたから仲介料をアップしてもいいよ! ともならない。そこは法で決まっている。

だから、どうして来るのかわからない。

妻と話をして結局、ひっきりなしに客が来る業態でもないだろうから、事務所にいると息がつまってしまって理由を付けて外に出たいんだな、となった(余計なお世話以外の何物でもない)。



そして彼は来た。
電話を切って三十分後に呼び鈴が鳴る。

「いいおうちですねえ」
居間に上がって言う。窓からの眺めもいいですねえ、とも言う。黙れ。勝手に渡辺篤史するな。である。いつまでも続けそうな気配なので、椅子に座らせて先を促す。



「マンションの購入希望者さんがいます」


心底驚いた。たった一週間で? マジで?

担当氏は「不動産購入申込書」を提示した。
旧居を内覧したうえでの購入希望らしい(いつのまに)。金額は一般売出価格と査定価格の中間で百万円台がきれいなキリのよい値である。なるほどね、と思った。買主には値引でお得感を見せつつ、売主の私が臍を曲げない落とし所に着地させたことがちゃんとわかる。


まあ、過程はどうでもよくて。
細かな説明をさせるのも悪いから、オッケーの旨を伝えた。たぶん、これ以上欲をかいてはいけない。



「問題は買主さんがお若いことでしてね」
と言う。

ローン審査の話ではない。二十代の夫婦だと購入を決めた後に親から横槍が入って契約が流れるケースが多いんだとか。へえ。なんとなくわかる。親の援助と無関係に、「あれは駄目よ」と茶々を入れられると、切羽詰まってないものだから「それもそうか」ってなっちゃうんだろうな。


「ご両親の了解を得てもらうのに時間がかかりました」
と言う。

ああ、そうか。ようやくわかった。
これが電話で済まさず、わざわざ我が家に来た理由か。いくら私がオッケーと断言しても電話では覚悟を知れないし、心変わりの可能性があるから顔を合わせたかったのか。



最後に、ホクホク顔で帰ろうとした担当氏に尋ねた。

「一週間で売れるのって速いんですよね?」

ホクホク顔は答えた。
「そうですね」
でも、タイミングと巡り合わせ次第ですよ。と続けた。営業マンらしい満点回答だった。



言いたかったことはちがうのだけれど。

不動産購入申込書の日付が、仲介契約をした二日後だったから。私はこういうどうでもいい所を見逃さない。端から売るアテがあったってことだ。道理で仲介よりも買取を希望したわけだ。かつ、たった数日で荒稼ぎしてくれるじゃないの。けっこうおいしい商いだろこれ。



というわけで、我が家は折込チラシに載りもせず、人知れず右から左へ捌かれたのだった。


(マイホーム希望の方へ。中古物件の場合、チラシだけで決めず不動産屋に相談したほうがよいかもですよ。彼らが融通してくれます。今回のように、一般の目に触れる前に売買されるケースも多そうです)

にほんブログ村 その他スポーツブログ マラソンへ
よろしければポチりと。
いつも励みになっております。