かく語りき

単身赴任で上京してきた今藤のブログ。最近の趣味は休日ジョギング。フルマラソンは未経験です。

黒川博行『果鋭』読了

果鋭

果鋭

あのコンビが今度はパチンコ業界に殴り込みだ!

本作の紹介は、この一文でおおよそ足りる。


なお、あのコンビとはイケイケヤ印のほうではなくて元マル暴の二人組のほう。イケイケ稼業人の二人組にもパチンコ屋相手にゆすりたかりをしていた作品があったような。貸玉遊戯場はヤクザとカネの話に繋げやすい上に警察の闇なんてオマケが付いている。だから小説のネタにされる。気の毒な業界やで。ほんま。



黒川博行は大阪を舞台にした小説を書き、軽妙な大阪弁が持ち味と評価される。

うん。そう。そのとおり。異論は無い。無いんだけど、なんか違うんだよなあ…と読むたびに思う。


まず、大阪弁が私の知っているそれと異なる。

そりゃリアルヤクザの喋り言葉なんて知らないけれど、役割語を考慮してもやっぱり違和感がある。不自然ではない。でも違う。違和感の正体はわからない。船場言葉や北摂弁、泉州弁に河内弁、いずれとも異なる不思議な大阪弁


地理風俗もしっくり来ない。

作者の大阪は鶴見花博で時計が止まっているの? いつの時代の大阪か、と思う。いつまでたっても中国人が青龍刀を振り回している歌舞伎町小説と同じくらい変だ。

エンタメ小説的大阪の限界か。


「遠隔操作はない、というのがホールの建前やで」

「そんなもん、競合店があるホールは、みんなやってる。でないと潰れるがな」

遠隔は存在する。
この前提で物語は進む。

遠隔など存在しない。
という意見もある。「そんなことしなくても儲かる仕組みになってるんだから。廃業のリスクを負ってまでしないよ」なるほど。理屈だ。


グレーな世界。
だから某パチンコ屋は2兆円企業にもかかわらず東証に上場を拒否された。

グレーな世界。
だからパチンコ屋は嫌われる。
でも、その理由は適当では無い。と私は思っている。色の濃淡は焦点じゃない。たとえ法的な問題が解消されようと、如何に公明正大な博打が行われようと、パチンコ屋が許容される未来は無い。パチンコは競馬競艇に成り得ない。理由は単純で、私個人私企業が胴元の博打を現代日本人は認めないからである。
日本版カジノの成否は多分そこにかかっている。成功したければ徹底的に「私」を隠すことだね。



私は、大阪で暮らすハードボイルドファンだから黒川博行が大好きで、新刊が出れば買う。読めるだけで幸せだ。

ハードボイルドは人を選ぶので駄目な人には駄目なジャンルで、大阪弁も似たところがある。そのふたつを武器に直木賞を取るんだからすごいよね。もうすこし話題になってくれるとうれしいな。

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